同じ町が、2年で2度沈んだ。——次も来る前提で、計画はできていますか。

佐賀県のBCP(事業継続計画)── 県内の災害リスクと、建物が無事でも事業が止まる経路を確かめるページです。

六角川は、勾配がきわめて緩やかな感潮河川です。有明海の満潮時には水が抜けず、排水はポンプの能力に頼るしかありません。水が引きにくい地形は、変えられません。変えられるのは、事業の側の準備だけです。

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2019年8月28日、記録的な大雨で六角川流域が氾濫しました。武雄市と大町町を中心に広い範囲が浸水し、県が管理する道路の決壊・崩壊は166か所、河川の堤防と護岸の決壊は266か所。長崎自動車道も、武雄ジャンクション付近の路面の亀裂で不通になりました。

その2年後、2021年8月14日。六角川は再び氾濫しました。嬉野では観測史上最大級の雨となり、武雄市では多くの家屋が浸水しました。2019年から再建してきた店舗、工場、住宅が、復旧の途上でもう一度水に浸かりました。

「もう来ないだろう」は、佐賀では通用しないことが実証されています。問いは「来るか来ないか」ではありません。「来たとき、何日で、何から再開するかを決めてあるか」です。

佐賀県のリスク

六角川・内水 —— 「2年で2度」の流域

2019年8月の令和元年佐賀豪雨では、大雨特別警報のもと、武雄市と大町町で1メートルを超える浸水が起きました。県内では4名の方が亡くなり、2名が重傷を負いました(佐賀県確定報・2023年1月13日現在)。心より哀悼の意を表します。

2021年8月には、武雄市の大日・橘町付近で六角川が氾濫。嬉野では観測史上最大級の雨となり、武雄市では多くの家屋が浸水しました。

緩やかな感潮河川では、満潮と重なると排水ができません。佐賀の水害は「浸水が長引く」タイプです。浸水の深さだけでなく、浸水の継続時間を確認してください。

事業被害の実額 —— 2019年佐賀豪雨

県の確定報によれば、商工被害のうち工業原材料・商品は233件で約40億3,520万円、生産機械器具は322件で約89億1,858万円。「浸水被害」の中身は、建物ではなく原材料と機械が主戦場でした。配置の高さと安全停止の手順が、そのまま損害額を左右します。

地震・液状化

佐賀平野は軟弱地盤で、液状化のリスクが指摘されています。事業所、倉庫、取引先の所在地の想定震度と液状化の程度は、県の地震被害等予測調査で確認してください。

有明海沿岸 —— 高潮・排水不能

沿岸の低平地には、高潮と湛水のリスクがあります。漁業、食品、冷蔵、港湾の停止経路です。六角川と同じく「満潮と重なると水が抜けない」構造を共有しています。

ハザードマップ: 武雄河川事務所 六角川洪水浸水想定区域図(想定最大規模・浸水継続時間つき)/佐賀県 地震被害等予測調査

自社が無傷でも止まる。自社の被災が、他社を止める

AIで生成したイメージ画像。水田の中を流れる川と堤防沿いの集荷場。
AIで生成したイメージ画像です(実在の風景ではありません)。

一つの工場の浸水が、住宅と農地まで止めた —— 2019年8月28日

六角川の氾濫で、県内の金属加工工場が浸水し、金属熱処理用の油槽に水が流入しました。推定で数万リットルの油が氾濫水とともに流出し、周辺の住宅と農地に広く被害が及びました。

一つの事業所の浸水が、近隣の住宅と農業まで止めた。佐賀の低平地では、自社の設備、油、薬品、在庫が、流出物になりえます。BCPは自社防衛であると同時に、地域と取引先への責任の話です。

代替を決めてあった会社は、止まらなかった

この工場は、大手メーカー向け部品の供給拠点でした。被災の直後、同社は同じ設備を持つ自社の別工場で代替生産し、供給を継続すると、即座に取引先へ報告しました。「代替生産先を決めておき、即座に取引先へ伝える」——BCPの教科書が、そのまま県内で実演された例です。

同社では過去にも同様の流出を経験し、対策を講じていました。それでも想定を超える雨で、再発しました。「一度対策した」で終わらせず、想定の更新を続ける必要があります。

これは、被災した事業者を批判する話ではありません。低平地に立地するすべての事業者が、明日直面しうる構造です。

道路が止まれば、無傷の会社も止まる

2019年、長崎自動車道は武雄ジャンクション付近の路面の亀裂で不通になり、県管理道路は166か所で決壊しました。自社が無事でも、道路が止まれば集荷、配送、出勤が止まります。

佐賀は福岡と長崎を結ぶ九州横断軸の上にあり、九州内外の製造、食品、農業の取引網と、道路と港湾で結ばれています。県外の被災でも、佐賀の出荷と調達は止まります。

二つの読者へ

意向はあるが、まだ計画がない会社へ

帝国データバンクの2026年調査(九州版)で、佐賀県の「策定意向あり」(策定済み、策定中、検討中の合計)は57.9%。全国の50.5%を大きく上回ります。一方、九州・沖縄の策定済み率は17.1%(2,898社対象・1,037社回答の地区値)で、全国の21.4%を下回ります。いずれも回答企業群の値であり、県内全事業所の推計ではありません。

「やるつもり」は全国上位、「やった」は全国以下。2度の水害で、必要性は骨身に染みています。足りないのは危機感ではなく、着手の道具と時間です。

2021年の夏、「次はうちも何か作らないと」と思ったはずです。あの夏から、計画は形になりましたか。

策定していない理由は、全国調査で「スキル・ノウハウがない」42.2%、「人材を確保できない」33.5%、「時間を確保できない」28.1%。意識の問題ではなく、資源の問題。AIで資源の不足を埋める道具が、そのためにあります。

佐賀には、もう一つの後押しがあります。県の補助金は、BCP等の策定が申請の入口です。計画を作ることが、設備投資支援への切符になります。

九州・沖縄の策定済み率は地区値であり、佐賀県単独の値ではありません。

策定済みだが、動かない会社へ

その計画は、「復旧の途中でもう一度浸水する」ことを想定していますか。2年で2度の実績がある佐賀だけの問いです。

代替生産・代替調達先は決めてありますか。油、薬品、原材料の流出対策は入っていますか。

佐賀の相談先・支援制度

佐賀県中小企業事業継続力強化支援事業費補助金。BCP等を作成した県内中小企業の防災・減災の設備投資(機械装置の導入、事務所などの改装)を補助する県の制度です。計画から、止水板、電源のかさ上げ、設備保護まで、一気通貫で支援する県です。(公募の時期と条件は年度により異なります)

事業継続力強化計画(ジギョケイ)。佐賀県内の累計認定は710件を超えています(令和8年7月末時点)。防災・減災設備の税制措置、金融支援、補助金審査上の加点などがあります。

相談窓口。佐賀県よろず支援拠点、および県内各地の商工会議所・商工会が、相談の窓口として機能しています。

流域情報。武雄河川事務所の六角川洪水浸水想定区域図には、想定最大規模の浸水深に加えて浸水継続時間が示されています。「水が引くまで何時間か」まで確認してください。

事業継続力強化計画の認定や、補助金・融資などの可否は、各制度の要件と審査によります。BCP-AIで作成した計画がそれらを保証するものではありません。本ページの認定件数は、BCPを策定した企業の割合や利用者数とは別の数値です。

AIで生成したイメージ画像。堤防沿いの倉庫前でバンに荷を積む作業員。
AIで生成したイメージ画像です(実在の風景ではありません)。

六角川は、復旧を待ってくれませんでした。次の雨が来る前に、最初の一歩を今日。

最初の一歩として、BCP-AIで初版を作るところから始められます。

BCP-AIは、所在地や業種などの質問に答えるだけで、自社のBCP(事業継続計画)の初版を作成できます。

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